世界的に有名な香水の聖地 南仏グラース
美しい花畑に囲まれた南仏グラースは、世界的に有名な香水の街。あの有名な香水「シャネルNo.5」もここで産声をあげました。グラースの街の歴史をご紹介します。
香水の街、南仏コートダジュール地方のグラース(Grasse)。シャネルとクリスチャン・ディオールが自社香水専用の花畑を持つ、世界的に有名な香水の聖地です。マリリン・モンローが愛用していたという、かの有名な香水「シャネルNo.5」もグラースで誕生しました。
グラースの温暖な気候と肥沃な土地は、ローズ、ジャスミン、オレンジフラワー、においすみれなど香水の材料として使われる様々な花の栽培に適しているのです。
花が最も美しいのは5月から6月にかけて。毎年5月に開催される「ローズ祭り」期間中は、街は美しいピンク色のセンチフォリア・ローズで埋め尽くされ、気品溢れるエレガントな香りに包まれます。
グラースを香水の街として発展させたのは、16世紀、フランス国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスの功績という説があります。雅なものをこよなく愛したカトリーヌ・ド・メディシスは、イタリアから連れてきた調香師に命じ、上質な香りの花々を生産していたグラースを香水作りの拠点としたそうです。
また、当時、なめし皮産業で栄えていたグラースの街では、革手袋を生産していましたが、皮製品独特の匂いが悩みの種でした。そこで、グラース産の花から抽出された香りのよいエッセンシャル・オイルを使って、皮の匂いを消し、良い香りを残す方法が考案されました。グラースの革手袋は貴族の間で大流行します。時代が移り18世紀になると、なめし皮産業は衰退し、香水がグラースをささえる産業に取って代わるのです。
グラースの街には多くの香水メゾンがあり、オリジナルのオー・ド・パルファム(Eau de Parfum)を作れるところもありますよ。
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